別れという悲しみを味わうくらいなら





もう誰にも会いたくない。




誰とも関わりたくない。








そう思っていたのに

あなたに出会ってしまった私は







幸せ?







それとも








不幸せ?




















I want there to be the side  〜序章〜































たった今







あの人にフラれてしまった。









私はもう…必要ないんだって。











思い出しただけで





涙がボロボロと流れてきて



止まらなかった。






その場から一歩も動けなくなって






座り込んでしまった。
















泣いて









泣いて








泣きまくって










体の中にはこんなにも水があるんだと

少し驚くくらいだった。











周りを歩く人がちらちらと見ていた。









早く立たなきゃ


でも足が動かない。







力が入らない。












自分の力で






立てない。











もしかして私…まだ期待してる?










あの人が来るのを








あの人が



「何やってんだよ」って…

抱き抱えてくれるのを








まだ心の隅で期待してる。











でも来てくれない










もう他の人のもとへ行ってしまったんだね。










そう思うと…また泣けてくる。














もう戻って来てくれないのだと




思い知らされる。










周りを歩く人は相変わらずちらちらと見ていた。









でももう

どうでもよくなっていた。











私…このままどうなって行くのかな









このまま


この世から消え去って




あの人の記憶からもいなくなって








私がこうして生きている事を







みんな忘れていくのかな













それならそれでもいい










あの人が私を必要としない今








私にはもう生きてる意味なんか無い。














そう思って



小さく目をつぶった時だった。












「大丈夫…ですか?」














え?








一人の男の人が現れた。











その人はそう言うと


私と同じ目線になるように座り込んだ。










私はその人をちらりと見た。








その人の瞳は



優しさで満ち溢れているようだった。








あまりに優しくて


眩しくて






少し渇きかけていた涙がまた溢れ出して来た。









子供のように泣きじゃくる私に



その人は明らかに動揺していた。











そんな動揺に気付いているのに





私は泣く事を止めなかった。



















涙を










悲しみを








受け止めてくれる気がしていた。





























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