じりじりとした太陽の下










あの夏は君と出会えた夏。









俺にとっちゃ一生忘れられない夏。














君にとっては



どんな夏だったのかな…。























SummerSummerSummer




































さむっ










焼け付く日差しの中






俺はガンガンに効いたクーラーの部屋で仕事をしていた。


















パシャ!パシャ!












フラッシュの音が響く








今日の仕事は雑誌の取材。







いくら慣れたとはいえ、




今でもカメラの前で笑ったり



取材に答えたりするのって、



苦手だったりする。










だって難しいし。





表現が苦手だから…














そんな俺が気分転換にしている事が





絵を描く事。














なんだか

一枚の紙の中に自分だけが存在する


自分だけの世界を作り出す事が出来るから。








それってさ、すっごい事だと思わない?







嬉しくなるんだ。


























「リーダー今日仕事終わったら何すんの?」











松潤がメイク室で髪をセットしながら聞いてきた。







「今日は家に帰って絵でも描こうかなぁ…」


「そっかぁ。今度はどんな絵描くの?」


「ん?う〜ん…。じゃあ松本さん描こうかな」


「マヂで!?やったね!」





そこにニノが来て






「ちょっとリーダー!俺には描いてくれないのに何で潤くんは描いてくれるのさ!」






あれ?そうだったっけ?







「ちょっとそこの三角関係!気色悪いからやめろよー!」




あ、翔くん。




大丈夫、マツジュンにはもう振られたから(涙)








 









「お疲れ様でした!」




スタッフの威勢よい掛け声と共に

それぞれ解散した。









俺はさっきマツジュンに行った様に




即家路に急いだ。













もうすぐで家が見える



その時だった。








蝉の鳴き声がこだまする中






道脇に見える公園に目が行った。














子供一人いない公園…





そこでは


一人の女の人が、静かに絵を描いていた。















「誰もいないのに…何描いてんだ?」












俺は自然と興味を持ち、





ゆっくりと公園に入って行った。















「あの…」





「え?」








俺は自分でも驚くほど自然に声をかけた。















女の人は振り返った。















それがだった。










俺は初めて君と出会った時に感じた感情を




今でも鮮明に覚えてる。









あの時君が描いていたもの…




それは今



ありのままの今だった。


















「何を…描いてんですか?」









「え?」





「あ、いや…俺も、絵描くの好きなんですよ」










「あ、そうなんですか」










「ええ…まぁ…」










今になって少し恥ずかしくなってしまった。










これじゃあまるでナンパみたいだ。

















「風を…」





「え?」











「風を描いてるんです。」









「風…ですか…」








「…はい」













すると俺は


何故かいてもたってもいられなくなって









「あの、俺、道具持ってきます!」






「え?」













俺は走って駆け出した。





何だか無性に君と絵が描きたかったから























そして二人並んで

絵を描いた。




















「あの…名前、聞いてもいいですか?」




「え?あ、はい!あの…っていいます。」





…さん」








「はい…あ、あの…あなたの名前は?」










「あ、俺は大野智っていいます!」








一応アイドルやってます。

って言うのは止めた。



今は関係の無い事だから。







「智…さん…」









「はい!宜しくです…」




すると彼女も恥ずかしげに

体ごとこちらを向いて








「よ…宜しくお願いします」








まるでお見合いみたいだった。





少しの気まずさの中に





どこか初々しさが漂っていて…







居心地が良かった。

























と出会って5日。





空気の様な雰囲気を漂わせる

俺は段々と惹かれていることに気付いた。








今日も仕事帰りに

あの公園に寄ろうと決めた。










絵を描くためじゃない



に会うためだった。











俺は仕事が終わると同時に走り出した。








はそこにいた。




いつもの公園にいた。










!」






は俺に気付くと

ふわっとした笑みをこぼした









「こんにちは智くん」







「今日も頑張って描いてんね〜」




するとは少し恥ずかしそうに


「はい。今度のコンクールに…出品しようと思って」






「え!?本当に!?」










は照れくさそうに下を向いていた。








すごく可愛かった。








俺はそんな


心奪われていた。























--------------------後編に続く。----------------------
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