翌日23日。






俺の誕生日も明日に迫ったその日




俺は昨日さんに貰ったメモ紙を片手に




携帯とにらめっこしていた。









「どーしたの?相葉ちゃん」








ニノが後ろからメモ紙を奪った。




「あ!ちょっ…ニノ!」











…090……。

相葉ちゃんもしかして…

誕生日に一人があまりに淋しくて、

今どき死語になりつつあるナンパなる事しちゃったとか!?」







「違うよ!!何言ってんのさ!」







そう言いながら

メモ紙を取り返した。









なんて言えばいいのか


イマイチ決まってなかったけど

けしかけられたバカみたいに、俺はヤケになって電話をかけた。




























「…もしもし?」








「あっ!もしも…」








彼女の声が聞こえた時、俺は気付いてしまった。














泣いた後の声だ。











「……誰ですか?」







はっと我に帰った俺は

焦って返事を返した。











「お…俺です!昨日…電車で会った…。」










俺がそう言うと

彼女はなんとか思い出してくれた。










「あ!昨日は本当にお世話になりました!

あの…お金なんですけど」



「あ!あの、いつでもいいですから!」















「じゃあ…明日会いませんか?」






「あ!明日!はい!じゃあ………………え…?」














決してノリツッコミをしたい訳じゃなくて


ただただ普通に驚いた。










明日は俺の誕生日。



いや、それはどうでもいいんだ。








誕生日ということは、クリスマスイヴということ。






イヴということは、恋人と過ごすって事じゃん?











それなのに……なんで?








「あの…明日…いいんですか?」



「はい…別になんの予定も無いので…。」







予定が無い?彼氏は…??










いろんなハテナが俺の頭を駆け巡ったけど


深く追求するのは少し気が引けたので

そのまま明日会うことにした。










不安に思うと同時に

クリスマスに予定が入ったことを少し喜んじゃってる自分がいたりして。










ちょっと…複雑だった。





























































クリスマスだというのに取材やらテレビやら仕事は山積みで


待ち合わせは夜になってしまった。









待ち合わせ場所に着くと

可愛らしい格好をしてその人は立っていた。







「こ…こんばんは!」






俺が背後から声をかけると

彼女は驚いたようにして振り返った。










「あ!こんばんは!」





彼女は深々とお辞儀をしてきたので

俺もしかえした。












顔を上げると

さんは笑っていたけれど


目はなんとなく笑ってないような気がして

俺も苦笑いで返すしかなかった。













彼女は小さな封筒を俺に渡してお礼を言うと


そのまま…俯いてしまった。














「………なんでだろう?って…思いますよね…?」



「え?」












少しの沈黙の後


彼女は俺にこう尋ねた。





先程のウソの笑顔は消えて

表情は哀しみに満ちていた。












「彼氏がいたはずなのに…

なんでクリスマスに?って……。

思われてるんだろうな…きっと。」











彼女がそうが呟くと


瞳から大粒の涙が今にも溢れそうになっていた。










「何か…あったんですか?」










なんとなく分かってはきたけど

決め付けるのはいけないと思って


俺は彼女に尋ねた。











「昨日……別れたんです。

ケーキ持って行ったら…急に別れ話…切り出されて…。」






そう小さな声で俺に伝えた後





彼女は完全に泣いてしまった。



















俺は、何かしなきゃと頑張って考え抜いて


彼女の頭に手を置いて



ポンポンと叩くようにした。










慰めるっていうと

少し偉そうに聞こえるかもしれないけど




やっぱり涙は人を悲しくするから


笑って欲しいと思った。

















「泣いちゃダメだよ。

今日はクリスマスなの…知ってる?」






俺が笑顔でそう言って顔を覗くと


彼女恥ずかしそうに両手で顔を隠した。















「ご…ごめんなさい…。

私なにしてるんだろう本当に…。

フラれたからって…見ず知らずの方に迷惑までかけちゃって…。


こんな日に待ち合わせなんかして…。最低ですね…。」








「俺はいいんだよ!仕事終わったら暇なんだから☆



それよりも・・・嫌なことなんてさ、もう忘れちゃおうよ?」






「え…?」
























電車で初めて会った時



君がすっごく可愛くて

話しながら俺の心臓がバクバクしていた事…





君は知らない。










「あ!まだ名前言ってなかった!

俺の名前は相葉雅紀です!」















俺の名前すらまだ知らなかった君。



俺の事なんて

ただの親切な人としか思ってないんだろうな。














「クリスマスに余った二人って事で

今から飲みにでも行きません?」










俺は思いきって彼女を誘った。






急な俺の誘いに

君はどう返すかな。










軽そうな事で誘ってるわりには


心臓は有り得ないくらいバクついていて



緊張した面持ちで返事を待っていた。










するとさんは


俺の方を見て、照れくさそうに笑みを見せながらこう言ってくれた。














「イタリア料理の美味しいお店…知ってるんですけど…。」











「本当に!?じゃあ行こう!」

















さんが

誘いに乗ってくれたことよりも


さんが…また笑ってくれた事がなによりも嬉しくて…

すっごい嬉しくなって…



顔がほころんでしまった。

















「今度は道、間違えないでね!」



「あ…!はい!もちろん!」











彼女に完全に笑顔が戻っていた。











街のイルミネーションと



空の星の瞬きが笑顔をいっそう輝かせていて


俺はそれを確認する度に心臓がドクンと音をたてた。


































恋がしたい!








今はもうそんな事どうでもよくなっていた。










隣りにいるさんの笑顔は可愛くて


眩しくて



俺の心臓をバクバクさせるから。







数日前に会ったばかりの君に



もっと俺を知って欲しいと思うようになったから。








サンタクロースが現れる聖なる夜に





トナカイがやってくるカラカラという音を空に響かせながら











俺の恋は始まってしまったから。













































-----END-----------------------------------------------------------

まず謝ります。ゴメンなさい(T▽T)

中途半端になってゴメンなさい。

意味不明な終わり方になってゴメンなさい。

焦った感たっぷりめでお届けしてしまった事。ゴメンなさい。汗



お誕生日、おめでとうございますm(_ _)m笑



Web拍手かBBSにて一言だけでも感想お待ちしております(*^^*)